居酒屋の開業準備から出店、資金調達、運用方法など、実際に居酒屋を運営してみて分かったことなどを、ブログ形式でマニュアル化しました。飲食店経営を志す方に!

共同経営について

★共同経営に対する賛否両論

飲食店を問わず、起業にあたり共同経営で始める方も多いと思います。当社は、起業時四人でスタートし、現状は三人だが5期目を迎える来年度は二人でスタートします。ここでは開業にあたり共同経営を4年間続けている中で得た経験談を数回に分けてお話しいたします。

① 経営者同士同じベクトルに向いているか

AC_20PHAJ32.JPG当社は2006年4月に有限会社を設立いたしましたが、飲食店経営を志したのは遡ること4年前の2003年。私が発起人となり計画がスタートしました。私自身、飲食店経験はアルバイトレベルですし、資金や融資についての知識もほとんどなく『熱い強い想い』だけで邁進しておりましたが、やはり不安なものは不安。ここに同じ想いを持ったパートナーが存在すればどんなに心強いことかと思っておりました。

 

学生時代のアルバイト先『甘太郎』で楽しい想いを共有した仲間に声を掛けてみたのです。その当時の皆は、『銀行勤務』『飲食店勤務』『独立経営者』で、私の頭の中では、それぞれが『融資・資金繰り担当』『料理担当』『経営フォロー担当』などと勝手に役職を振り分けて、飲食店オープンから運営までこの四人なら上手くいけるのではないかと夢想してました。一人ひとりに『楽しさ』『熱い強い想い』を語り、賛同してくれて仲間となっていったのです。それからは毎月定例会を開き四人で構想を練り、お金を貯蓄。時には家族を巻き込んで四人の想いに賛同してもらえるよう定例会に参加してもらいました。あと、お金に関しては原則がありました。『いつでも辞めてよいが、貯めたお金は返金不可』

 

当然、熱い想いにすれ違いと心境変化はつきもの。オープンまでに余計な時間があったことは私は良かったと思ってます。熱い想いのままオープンすることは出来るけど、落ち着いて冷静に判断することも必要。本当にこの仲間で起業してよいのか?ということは皆それぞれが思っていたことでしょう。わたしは比較的楽観主義者で、経営者間同士の問題は起こると思っていたけど、それを乗り越えてオープンは出来ると考えてました。

『オープンするという目標を決めた以上成し遂げることに意義がある』かつ

『楽しくなければオープンしても意味がない。さっさと辞めてしまおう』この2つの一見相対しているテーマのもと私たちは突き進んでいきました。

結果、予定通り2006年6月27日にオープンできました。これから共同経営で飲食店経営を志す皆様は、

オープンまでの時間を最低1年以上もち、お互いの想いが不変で同ベクトルに向いているか】これを良く確認しあったほうがよいでしょう。あとは【それって楽しいですか?】と常に自分自身に声掛けしてください。


②★開業時は共同経営人数が多ければ多いほど(メリットを最大限享受)

  DSC_7766.jpg 共同経営のメリットについてお話しいたします。まずはなによりも参加人数が多ければ多いほど活動量並びに資金量もその分増えるということです。軽いレバレッジ効果です。

 

 私たちは、まず物件探しにおいて2部隊を作り1都3県の主要駅を回りました。1部隊が良い物件を探し当ててくると、もう1部隊はさらなる物件を探すべく意気軒昂に。相乗効果がありかつ、1日でかなりの不動産会社回りや物件下見などが可能になりました。さらに、オープンに向け当然ながら各仕事を各個人の得意分野に仕分け、活動力を有効的かつ組織的にしました。それは①銀行融資②内外装打合せ③取引先業者選定④厨房器具家具選定⑤ビール業者取引などです。初めての作業で仕事を効率化できることは大きなメリットでした。

 

 資金量についても言えます。オープンまでの3カ年計画において私たち4人は毎月5万円を一つの口座に貯めて行きました。貯金なしで飲食店経営を始めようと思ったら、最低でも不動産物件取得費用は貯めなくてはなりません。15坪の場合、一般的には保証金も含め500万円は必要。3カ年計画においては私たち4人は毎月20万円×36カ月=720万円が貯金可能。一人なら毎月20万円はかなり難しい・・・。お分かりですね。余談ですが、一人で飲食店オープンを目指すなら、最低でも500万円は必要でしょう(出店地域・物件坪数にもよりますが)

 

 二つ目は、精神的な安心感を共有できるということです。『夢』に向かって走っていても得体の知れない不安感や突如して振り落ちてくる恐怖感は、誰しもが体感していると思います。『夢』を語れる仲間がいればどんなに安心か。さらなるポイントとしては家族の理解と協力はとても大きいです。投資額も大きく『失敗したら・・・。』なんて不安はいつもつきもの。家族の温かい協力を得ることは、共同・単独経営問わず、大事なことです。そこに夢を共有している仲間がいたらどんなに大きな助けになるか。実際、悩みや不安を打ち明ける機会も作り、問題解消に役立ちました。

 

 最後に共同経営者皆が頑張っていれば、自分はサボれないということです。上昇ムードの私たちにとって、職務怠慢はありえない。利益を享受することができるまでは、生活もかかっているし、邁進のみ。単独事業立ち上げでもサボることはないと思いますが、共同なら尚更。サボっていることを叱ってくれる仲間がいるのです。1日中物件探しで歩き疲れへとへとでも、もう一軒不動産屋回ろうという意識と実践力が沸々と湧きあがるのです。

 

 ただし、開業し利益を享受するまでは良いのかもしれませんが、デメリットの方がもしかしたら多いかもしれません・・・。自分だけ頑張って他がサボっている状況が生まれたら?また後日お話します。

 

 


③★経営目標の必要性

 

 よく経営理念と経営目標の必要性を議論いたしますが、私は必要派です。特に共同経営においては尚更です。経営陣全員が同じ目標に向かって進んでいるということは、事前に皆で話し合い、全会一致で目標を設定したということです。つまりやるべきことは決まってくるわけです。

 

DSC00048.JPGしかし、仮にオープンするという目標を達成した後の事を曖昧にしておくと、これからの経営が視界不良になってくる。私が大事だと考えるのは、これからのについての『目標設定の話し合い』をしているか?という点です。そのうえで目標が定まれば尚更良い。当初の私たちは目標が定まっていなかったし、『話し合い』もどんどん回数が少なくなって行きました。忙しさを理由になんとなくすれ違って行きました。

 

つまり、会社としての目標を立てそしてその目標を達成し、次の新たな目標設定をするというサイクルを作るべき。もちろん、『いつまでに』という期間も設定し、未達であれば『見直す』。目標なき経営は方向性を見失い、共同経営の意義を不鮮明にし、それぞれの思惑にすれ違いが生じます。

 

 目標なき経営は、目標なき人生の如く、運営していく(生きていく)意義が廃れていきます。


④ 経営者間コミュニケーションの重大性

 

 このテーマの重要性は論じるまでもないかもしれません。しかし改めて強く伝えておきたいです。『コミュニケーション無き共同経営は死んだも当然』

 

 オープンに向かって一致団結しているときは、頻繁にお互いの『ホウレンソウ』が成り立ちます。さらに良く飲みに行っては、将来のビジョンについて話し合う。これは、全員が同じ目標を持ち、これからの将来を楽しみにしているからです。さらにお互いを尊重し合っているからこそ、コミュニケーションを意識しなくても、必然的にコミュニケーションをとっている。この良き連鎖をどう繋げていくかがポイントだと思います。

 

 私たちの場合、幸いオープンしてから売上は順調でした。しかし、徐々に忙しさの不平不満をいう人間が出てくることによって、良き連鎖が悪き連鎖に変わっていったのです。些細なことから綻びが・・。話すことを避けるようになり、話が合う人間とだけコミュニケーションをとる。それが妬みなどの『み』言葉の発生源になり、内部分裂を生んでいく。

 

 私は、自分を信じて、与えられた仕事をこなしました。しかしコミュニケーション不足から招く相互信頼は欠如していく一方。さらに負の連鎖はお客様も感じてしまう。売上が落ちていく・・・。

 

5年間という約束の共同経営を全うしたら、その後独立を考えるようなっていきました。つまり共同経営に終止符を打つ覚悟をもちましたが、結果としては、上手くコミュニケーションをとれていた相方と4年目から今の会社に残ることになり、二人経営で運営をしています。定期的な飲みニケーションと、経営戦略を話し合い、良き連鎖に持って行けております。

 

 自分を信じて、与えられた仕事をちゃんとこなし、誠意をもってお客様に接していく。毎日精一杯皿を洗い、お店を綺麗に掃除する。飲食店の基本を毎日繰り返していけば、事は好転していきます。今後は、コミュニケーションのしっかりとれる会社運営に努めていきます。共同経営から学んだ点です。

 


⑤ ★共同経営は期限付きで

 

 ④のコミュニケーションをテーマにした中で5年間という約束の共同経営と明かしましたが、私は、共同経営をするならば期限付きで、その後更新をしていく流れが一番だと思います。出来れば、短期間で。

 

 

 私たちは期間を5年間と定め、その5年で4店舗以上出店し、各人が店舗をそれぞれ分担し、独立していく方針でした。分裂したためその方針は叶いませんでしたが、期間限定にすることで、各個人のそれぞれ自分のビジョンが取りやすいはずです。

 

 

 今後、私たちは3カ年計画をたて、その期間を約束期間として、順次更新していく意向です。

 



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